ハリエット

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ハリエット
監督:ケイシー・レモンズ
主演:シンシア・エリボ
公開:2020年6月
上映時間:125分

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ブラボー
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フクイ ヒロシ???
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  • フクイ ヒロシ???   2020年に黒人女性としては初めて紙幣の顔に決まった人物、ハリエット・タブマンさん。
    (まだ発行はされていません)

    勉強不足で(というかまったく知る機会がなかったように思いますが…)、ハリエットさんのことも、「地下鉄道」という言葉も知りませんでした。

    この映画の最初の知らせで
    奴隷を奴隷州から自由州へと運ぶ地下組織=地下鉄道 というものがあったことを知りまして
    しかも一番多くの「乗客」を運んだ「車掌」が黒人の女性だったってことにも興奮しまして
    絶対見るーと期待していました。

    地下鉄道と言っても、実際に地下に道があったわけではなく、見つからないように森とか川とか湖とか海とかを、逃亡経験のない黒人奴隷たちを引き連れながら安全に自由州へと引率していたということです。
    100キロ以上の危険と隣り合わせの道なき道を、自由を求めて進んだんですね。

    大体6000人の黒人奴隷が地下鉄道によって解放され、そのうち800人近くがハリエットが車掌を務めていた、とのことです。

    (この6000人が全員100キロ歩いたってことではなく、家族のうちの一人が自由州へ逃げてそこで働いて金を貯めて、置いてきた家族を白人の主人から〝買う〟という形で家族全員が自由になるってことも多かったようです)



    ***


    時は1800年代中頃から1900年初頭(19世紀中頃〜20世紀初頭)。
    この映画が始まる時には奴隷解放のリンカーンもまだ生まれていません。

    奴隷制時代の白人の悪魔描写は、様々な映画で観てきましたが今回もなかなか腹立ちます。
    (『それでも夜は明ける』ほどの地獄描写はなかったですが)

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  • フクイ ヒロシ???   悪魔の白人もそうなんですが、
    この映画の面白いポイントが「逃亡奴隷黒人を捕獲する黒人」と「自由黒人」の存在です。

    奴隷州で奴隷の子供として生まれたハリエット(最初の名前はミンディ)は生まれながらにして奴隷。

    自由州で生まれたマリーという黒人女性は生まれながらの「自由黒人」。
    (まぁ自由黒人という言葉があること自体地獄なわけですが)


    で、当時は今ほど情報伝達がないので、お互いのことが実はよくわかっていない。

    ハリエットからすると同じ黒人なのに綺麗に着飾って都会を闊歩してテーブルでお菓子を食べるマリーたちの存在が信じられない。
    自分たちの家族が住んでいた家には床もなく土の上にベッドを置いて寝ていたくらいなのに。

    マリーは黒人女性専用のホテルを経営するやり手だし、逃亡奴隷の面倒をみる頼れる女性だけど、奴隷黒人の地獄は話で聞いただけ。

    マリーのホテルに着いたハリエット に対して
    マリー「まずはお風呂に入って。動物のような匂いよ」と顔をしかめる
    ハリエット「恐怖の匂いを知らないのね」

    このやりとりが面白い。

    マリーも悪い人じゃないので「あ、やべ」とすぐに謝罪するのも可愛い。


    ***


    南部に生きる自由黒人の職業の一つとして「逃亡奴隷の捕獲」があったんですね。

    ウォルターという忍者みたいな若者がカッコよくも面白いわけですが
    最初はハリエットを捕まえて白人に売ろうとするんだけど、
    ハリエットを追ううちに彼女のカリスマに惹かれていってしまう。


    白人 VS 黒人図式だけじゃないのが、この映画の面白さですね。

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