彼らは生きていた

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彼らは生きていた
監督:ピーター・ジャクソン
公開:2020年1月
上映時間:99分

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ブラボー
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フクイ ヒロシ???
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  • フクイ ヒロシ???   今月は反戦特集をやってとりまして、
    この映画を描かないわけにはいかなくて。。

    ****

    退役軍人たち200人がインタビューで語った言葉のひとつひとつがあまりにも生々しく、重く、歴史的な価値があるものだと思ったので、
    それを。。。

    ****

    戦争映画いっぱい観てきたし、戦場のシーンもたくさん観てきましたよ。

    『沖縄決戦』も『野火』も『ハクソー・リッジ』も『プライベートライアン』も観ましたよ。
    どれも地獄でしたよ。

    しかし、『彼らは生きていた』に映っているものは全部本当。
    本当の戦争(しかも地獄の西部戦線…)

    再現ではなくリアル。

    ここに映ってる人たちが
    本物の、
    兵士であり、
    ほとんどの人は殺され、
    ほとんどの人は敵を殺し、
    人によっては味方を仕方なく殺した。
    本物の塹壕、銃剣、砲弾孔、何キロにも及ぶ鉄条網。
    その鉄条網に引っかかる死体。
    死体に群がり丸々と太るネズミ。。

    特殊メイクではない銃創。
    作り物ではない死体。

    しかもカラー映像で。。

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  • フクイ ヒロシ???   原題は「They Shall Not Grow Old」
    日本語だと「彼らは年を取らない」とか「彼らは大人にならない」ですかね。

    少年兵が多かったので、このタイトルなのでしょう。

    この映画は200人の退役軍人からの600時間のインタビューと100時間のドキュメンタリー映像を、
    時系列に並べて構成しています。

    1914年の開戦から、
    軍人募集、
    軍隊の訓練、
    フランスへの派兵、
    西部戦線、
    そして終戦まで。

    ほとんど隙間なくインタビュー音声が続きます。
    俳優でも声優でもない彼らの話し言葉は、淡々と朴訥としていて、それがすごく生々しいです。

    その声で
    「ドイツ兵を撃った。18歳くらいの少年で、かわいそうだったので水筒の酒を飲ませた。彼はありがとう、うまいと言って死んだ」
    とか言うので、ひとつひとつの言葉が重い。。。。。。

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  • フクイ ヒロシ???  
    で、、、、、、
    これ、、、
    すごく書きにくいんですが、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
    この映画、、
    面白いんです。。。

    映画としてカタルシスもあるし、
    笑いもあるし、
    ラストには切なさや悔しさや虚しさでいっぱいになるし、問題意識も生まれ、
    反戦の気持ちも強まるし。

    129分。
    観ている間もずっとドキドキしているし、観終わってからも受け取ったものの重みをズッシリと感じていられる。

    ***

    映画のスタートは結構ほのぼのしています。
    1914年、イギリスとドイツが開戦したところからスタートです。

    イギリスは半年くらいで勝てると思ってた。

    若い男性は入隊するのが当たり前だし、名誉なこと。
    入隊しない男は臆病者扱いされた。

    戦争が何かも知らない、何のためなのかもよく分からずに十代の少年たちも入隊した。

    「入隊しよう!」「国のために戦おう!」「君が必要だ!」みたいな広告チラシが貼られ
    映画館に行けば、入隊募集CMが流れた。

    国のムードがそっちに行っちゃっていて、
    ほとんどの人はそっちに流されざるを得なかった。

    ***

    だんだんじわじわと怖くなっていきます。
    これが「戦争」であることが分かってくるわけです。

    昨日まで事務員だったり販売員だった普通の人たちも
    自分が兵士へと変容していきながら
    「あ、これ本当に戦争なんだ」と実感していきます。

    映画の観客もそうです。
    地獄の列車に一度乗ると降りられない。逃げられない。

    西部戦線のシーンにもありますが
    正面からドイツ軍が銃撃してくるけど下がれない。
    下がると後ろにいる味方に撃たれるから。

    ****

    六週間の訓練が終わり、
    フランスへ派兵されるところからカラーになります。

    退役軍人たち200人がインタビューで語った言葉のひとつひとつがあまりにも生々しく、重く、歴史的な価値があるものだと思ったので、メモりながら観ました。

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