■嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

- 瑞々しくもアンバランスな狂気を孕んだ青春。 -

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■嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件
監督:
主演:
公開:1992年4月
上映時間:分

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ブラボー
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フクイ ヒロシ???
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  • フクイ ヒロシ???   マーティン・スコセッシが設立した映画保存団体「フィルム・ファンデーション」によってリマスターされたから今作、最高!

    映像がくっきり!こんなに顔見やすかったっけ!そして小明ってこんなに可愛かったっけ!前より可愛くなってない!

    映像がハッキリすると色彩や構図の美しさが伝わってくるし、人物の表情も見えてくるから、物語がわかりやすい(前よりね。基本難しいんですけど…)。

    てことでスコセッシグッジョブ!『羅生門』のデジタルリマスター版も良かった!

    今作でも、外省人(中国から渡ってきた人)と本省人(台湾人)との軋轢というか、摩擦が描かれていますね。

    小四の親も小明の親もハニーも外省人。

    監督のエドワード・ヤン自身も外省人で、1949年に家族とともに台北に伊集して、小四と同様に建国中学校夜間部に入学しているとのこと。

    この実際に起きた、中学生男子による殺人事件「牯嶺街少年殺人事件」は1961年なので、ヤン監督がだいぶ大人になって時に起きており、衝撃を受けてこの映画を製作した、とのこと。

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  • フクイ ヒロシ???   淡々と進んでいくんですが、普通の町中を戦車がガーッと通っていくシーンが挿入されたり、画面の中心で会話している人物たちの外や奥でいつも何かが起きてる。

    閉じた世界ではなく、常に自分たち以外の世界が動いているというのが音と映像で描かれ、重ねられていく。


    で、中盤で突如、大殺戮が繰り広げられまして、、そのしばらく続く大殺戮シーンもこれまた素晴らしいんですが、、

    「あぁこれが少年たちによる殺人事件かぁ」などと気を緩めて、後半に突入すると…。。。

    ****

    社会の影響を最終的にもっとも受けるのは社会的弱者。今作で描かれるのは子供。

    子供ってのはマイノリティではないけど声をあげても聞いてもらえない存在。だからこそ、負けないように食われないように徒党を組んで不要な対立構造を生んでしまったんですね。

    本当なら、負けも食われもしない社会でなければいけなんだけど。

    大人たちが勝ち負けのある社会で食ったり食われたりしてるから、子供たちもそれを真似る。

    社会から子供へと一方的に影響を与える。子供の中でもまた、少年(男)から少女(女)へと一方的に影響を与える。

    もし逆行して、少女(女)から少年(男)へと影響を与えてしまったら………。

    というのがこの映画の肝かと。この事件の真相というか、仕組みというか、個々人の感情を、監督がこのように解釈したのでしょう。

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